最近、AIによるオンライン英会話サービスを興味半分で使ってみたのだが、あまりのクオリティの高さに驚いた。AIとはいえ、口の動きや瞬きなど、人間らしい自然な動作を見せ、まるで本当の人間講師と話しているような感覚になる。
これまでのオンライン英会話サービスは、人間の講師との英会話が主だった。ただ回数や時間に制限があったり、講師によって英語の発音などにバラツキがあったりする。英語を母国語とする講師を選ぶと、料金が割高になるのが課題であった。
これに対して、AIによるオンライン英会話サービスでは、人類の叡智を兼ね備えたAIが講師である。アメリカ英語やイギリス英語など英語アクセントを変えることなど朝飯前である。こちらの不十分な英語に対して、いつも的確なフィードバックを提供してくれるし、不自然な英語を使うと、必ず正しい表現に直すよう指導してくれる。会話内容は英文で表示してくれるし、必要に応じて日本語訳まで参照できるので、聞き取りに不安があっても安心だ。しかも、いつでも好きなだけ無制限に話をすることができる。これほどまでに充実したサービスを提供してくれるのに、料金は従来の人間講師と比べて1/5〜1/10以下である。人それぞれ好みがあるものの、これだけの利点があることを考えると、今後オンライン英会話サービスの主流は、AI講師によるものへ移行するのは自然な成り行きであろう。
このようにAIの台頭によって、従来の人間によるサービスがAIに取って代わられてしまうことはこれから増えていくのだろう。しかも私たちが直面しているのは、単に「AIに人間の仕事が奪われる」とかいうだけではない。私たちの文明社会の根本が大きく揺り動かされ、社会がドラスティックに変革していくということだ。人間を凌駕したAIと共生していく新しい時代において、私たちは、自分たちの存在価値や生き方の本質について、問い直しを迫られることになるのだろう。
私はこのサービスを利用しながら、間近に差し迫った文明社会の地殻変動の足音を静かに聞いているのかもしれない。