消滅可能性都市という未来
2014年、元岩手県知事の増田寛也氏を座長とする日本創生会議が「2040年までに全国896の市町村が消滅可能性都市となる」という報告を発表し、大きな反響を呼びました。(※「地方消滅」東京一極集中が招く人口急減 2015年、中央新書)
主な原因は、大都市圏(主に東京)への一極集中が引き起こす地方の人口減少。
そして地方から大都市圏へ人口流出が進む主な原因は以下の2つです。
- 地方における雇用機会の不足
- 地方と大都市圏での所得格差
仕事を求め、収入が増えることを望むのは自然なことです。特に子供を産み育てる世代にとっては死活問題につながります。しかし地方にとっても、人口再生産を担う子育て世代の人口の流出は致命的な問題です。このまま人口流出が続くと、やがて多くの市町村が消滅していくでしょう。それにより大都市圏への人口流入も減少、都市部(東京)もやがて収縮し、ひいては日本の縮小、破綻へつながると考えられます。
これが私たちに突きつけられている現実なのです。現実を直視して、厳しい状況があることも理解した上で、今、どこに舵をきるかの選択が未来に向けた航路を決める重要な時なのです。
希望ある未来への舵取り
では、地方から大都市圏への若い世代の流出を緩やかにして、地域を自立させ、分散型社会方式を目指すにはどうすればよいのでしょうか?
答えは地方の企業が稼ぐことです。即ち地域活性化の必須条件は、企業が稼ぐことなのです。
衰退局面にある地域は、ヒト・モノ・カネが慢性的に不足状態であり、地域活性化を目指す策として、地域における高付加価値のトップブランドを生み出すことが重要になります。ですが、果たしてトップブランドが確立することで、様々な効果が期待できるのでしょうか。
- 地域経済の活性化
- トップブランドがあることで、地域の企業が稼げるようになり、関連する企業や地元の農家や職人などにも効果が波及していくのであれば、地域経済全体が活性化されます。
- 雇用機会の増加
- ブランドの生産や販売に関わる仕事が増えることで、地元の雇用機会も拡大していきます。またブランドを活用した商品開発や観光業など、新たなビジネスチャンスも生まれるかもしれません。
- 若い世代の地元定着促進
- 雇用機会や所得が得られるようにし、 大都市圏への人口流出に歯止めをかけねばなりません。たとえ進学や就職などで地元を離れることがあったとしても、地元に雇用があれば、地元に戻るという決断する人を増やすことができます。また地元でなくても、多くの若い世代の移住、定着を促進することが可能になります。
地方でトップブランドが生まれることで、その地域全体が活性化し、何らかの解決に導く効果が期待できます。
髙坂鶏の生産地 京丹波町
京丹波町という小さな町があります。人口約12,000人ほどの自然豊かな町です。上述のレポートによると、京丹波町もまた消滅可能性都市に挙げられています。さらに2040年までに人口が10,000人未満になると予測されており、消滅の危険性がより高い地域とされています。
京丹波町の主な産業は農業と林業で、経営耕作面積の約9割が田んぼです。私たちは、この京丹波町が持つ広大で大事な田んぼを守りたいと思いました。そしてまた地方活性化の成功事例を築いていきたいと考えています。
ブランドとは作れるものではありません。ブランド作りから入るのではなく、顧客に対応して流通を変え、商品さえも変え、顧客との関係値も組み替える。結果、顧客からの熱烈な支持を集め、信用が拡大し、他ではない安心感、特別感へとつながっていくのです。そして、これらの取り組みは、お金を生み出すという実績をあげているだけでなく、個別に「ブランド」を生み出しました。
ブランドがあるから商品が売れるのではなく、商売の結果としてブランドが形成される。ブランドとはすなわち、日々の積み重ねの上に成り立つ結果です。どこかの町のようにただ名前を変えただけのブランド化で一発逆転、だなんて都合のよい話はありません。また、よく聞くウリ文句「やる気、元気、心意気、○○日本一」を並べたところで、中身が伴わなければ顧客にすぐに見破られてしまう時代です。
顧客が安心して食べられる美味しい米を生産する。顧客から熱烈な支持を集め、信頼を拡大させ、他ではない安心感、特別感へとつなげていく。確かな実績を日々の積み重ねの中で、京丹波米のブランドを醸成して行きたいです。
そしてこの京丹波町において、ブランド米、ブランド野菜で地域活性化するモデルを作り、それを根拠ある希望として、同じような危機的状況にある全国の市町村に示せたら良いなと考えています。
地域の活性化が進むことは、すなわち一極集中の過度な中央集権システムから脱却し、自立した分散型社会へと変革していく力となり、ひいては日本国が再び発展することが夢であり希望です。
京丹波町には良い人が沢山います。「人に良いと書いて食」となります。
ー京丹波町で成功事例を作り、日本を明るい未来へと導くきっかけにしたいー
私たちはそんなビジョンを抱いて、日々前進していきます。